DOSKEY - コマンド行の編集／DOSコマンドの再呼び出し／マクロの作成

《機能の説明》

　DOSコマンド行の操作性を拡張する常駐プログラムです。
・以前に実行したDOSコマンドを、簡単な操作で再びコマンド行に呼び出せる。
・カーソル移動キー等を用いて、コマンド行の編集を能率よく行なえる。
・複数のコマンドをも含めることのできる「マクロ」が作成できる。
　……などの特長を持っています。

関連するBBS過去ログ……DOSKEY…コマンド・プロンプト上の文字入力

《書式》

DOSKEY [/REINSTALL] [/BUFSIZE=サイズ] [/MACROS] [/HISTORY] [/INSERT|/OVERSTRIKE] [マクロ名=[テキスト]]

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《スイッチ／パラメーター》

無指定

　省略時の設定でDOSKEYを常駐させます。

/REINSTALL

　すでに導入されているかいないかにかかわらず、DOSKEYを新しく導入しなおします。すでに導入されていた場合、これまでのヒストリ情報などがクリアされます。

/BUFSIZE=サイズ

　コマンドとマクロを保持するための記憶バッファのサイズを指定します。256（バイト）以上の値が有効で、省略値は512です。

/MACROS

　現在設定されているすべてのマクロとその設定内容を表示します。結果を“>”でリダイレクトさせてテキストファイルに保存し、エディタ等で編集すれば、マクロの一括登録用のバッチファイルを作成することができます。

/HISTORY

　メモリに保存されている全コマンド履歴の一覧を表示します。

/INSERT| /OVERSTRIKE

　コマンド行に文字を入力する際、上書き状態にするか、挿入状態にするかを設定します。（省略時設定＝/OVERSTRIKE）
　/OVERSTRIKEに設定されている場合、コマンド行に文字を挿入するときには、まずInsertキーを押して、挿入モードに変更する必要があります。

[マクロ名=[テキスト]]

複数のDOSコマンドを一度に実行するマクロを作成します。マクロ名には、マクロに割り当てたい名前を任意に指定します。テキストには、記録しておきたい（一連の）コマンドの内容を指定します。テキストを省略すると、そのマクロの登録が解除されます。

指定するテキスト内では、次の文字は特殊な意味で使用されます。（アルファベットの部分は、小文字でも同じはたらきをします）

$G

出力のリダイレクト指定文字“>”と同じ働きをします。

$G$G

出力のファイルへのアペンド指定文字“>>”と同じ働きをします。

$L

入力のリダイレクト指定文字“<”と同じはたらきをします。

$B

出力を別のコマンドに転送します。DOSコマンド行で“|”を使用したときと同じです。

$T

コマンドの区切りとして使用します。これを使用することで、１つのマクロ名に、複数のコマンドの連続実行を定義することができます。

$$

$記号自身を意味します。

$1〜$9

バッチファイルで使われる%1〜%9とほぼ同じ意味です。
マクロを実行する際、前から順に$1、$2……の部分が、実際にコマンド行に入力された単語に置き換えられます。

$*

マクロ名のあとに指定されたすべての単語を一括して置き換えます。

《解説》

• DOSKEYが導入されると、DOSKEY独自の、拡張された編集機能が使用できるようになります。
  

  ↑	１つ前に実行したコマンドをコマンド行に呼び出します。↑キーを押した数だけさかのぼることができます。
  ↓	↑キーで呼び出した過去のコマンドより１つ後のコマンドを呼び出します。
  PageUp	記憶されている中で最も古いコマンドをコマンド行に呼び出します。
  PageDown	記憶されている中で最も新しいコマンドをコマンド行に呼び出します。
  ←	カーソルを1文字分左に移動します。
  →	カーソルを1文字分右に移動します。
  Ctrl+←	カーソルを1語分左に移動します。
  Ctrl+→	カーソルを1語分右に移動します。
  Home	カーソルを行頭に移動します。
  End	カーソルを行末に移動します。
  Esc	表示されているコマンドを削除し、行頭にカーソルを戻します。
  F1	テンプレートからコマンド行に1文字複写します。
  F2	このキーを押したあとで入力した文字と同じ文字をテンプレートから検索し、その文字の手前までのテキストの内容をコマンド行に一括複写します。
  F3	テンプレートに現在残っているすべてのコマンド行を複写します。
  F4	F4キーを押したあとで入力した文字と同じ文字をテンプレートから検索し、その文字の手前までをテンプレートから削除します。
  F5	現行のコマンドをテンプレートに複写し、コマンド行をクリアします。
  F6	EOF(Ctrl+Z)文字を入力します。
  F7	メモリ内にあるすべてのコマンドを、番号をつけて表示します。
  Alt+F7	コマンド履歴情報をクリアします。
  F8	表示したいコマンドを、コマンド履歴中から検索します。検索したいコマンドの最初の数文字を入力したあとF8を押すと、それらに合致した文字で始まるコマンドのうち、最新のものが表示されます。以後、繰返しF8を押すことで、さらに以前に実行したコマンドを探し出すこともできます。
  F9	F7でコマンド履歴のリストを表示したあと、番号指定でそれらのうちのどれかを呼び出したいときに使用します。
  Alt+F10	すべてのマクロ定義を削除します。

  
  
• マクロの登録と実行
  　DOSを始動するたびに常に同じマクロが使用できるようにするには、たとえば次のように、登録しておきたいマクロの数だけDOSKEYコマンドを再実行します。
  
  • 例
    DOSKEY /INSERT
    DOSKEY DIRW=DIR /W
    DOSKEY LOOK=TYPE $1 $B MORE
  　マクロの実行は、通常のDOSコマンドと同様、コマンド・プロンプトにマクロ名を入力してEnterを押すことで行ないます。
  
  • 例
    C:\>DIRW
    →DIR /W が実行される。
  　$1〜$9および$*でパラメータの取扱い方を定義してあるマクロに対しては、マクロ名のあとにそのつど必要なパラメータを入力することで、さまざまな局面に対応したマクロの実行を行なうことができます。
  
  • 例
    C:\>LOOK HELLO.DOC
    → TYPE HELLO.DOC | MORE が実行される。

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