※このページでは、COMMAND.COMベースの環境(=主にDOS,Windows95/98/Me)でだけ使用可能な(あるいは、そうした環境でしか意味を持たない)コマンドについて記述していますのでご注意ください。
EMM386.EXE - EMSメモリーのエミュレートとUMBの提供
Expanded Memory Manager for 80386
《機能の説明》
80386またはそれ以上のプロセッサーを持つシステムで、拡張メモリーを使用してEMSメモリーをエミュレートします。
また、DOS=UMBを指定した場合の、実際のUMBメモリーへのアクセス機能を提供します。
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《スイッチ／パラメーター》
- ON|OFF|AUTO
- EMM386.EXEの動作を許可(ON=省略値)、禁止(OFF)、または自動モード(AUTO)に設定します。
自動モードでは、プログラムがEMSメモリーを使用する機能を呼び出したときに限ってEMSメモリーの使用が可能になります。
- メモリー
- EMSに割り当てたいメモリーを16〜32768(KB)の範囲で指定します。
省略値は256です。数値が16の倍数でなかった場合は、16の倍数に切捨てて設定されます。
- W=ON|OFF
- Weitek数値演算プロセッサーのサポートを許可または禁止します。(省略値=OFF)
- Mx
- ページ・フレームのアドレスをxに指定する値(1〜14)で指示します。
xの値と設定されるアドレスの関係は次の通りです。ただし10〜14はメインメモリ容量512KBのコンピューターでだけ使用できます。
| 1 |
C000h |
2 |
C400h |
| 3 |
C800h |
4 |
CC00h |
| 5 |
D000h |
6 |
D400h |
| 7 |
D800h |
8 |
DC00h |
| 9 |
E000h |
10 |
8000h |
| 11 |
8400h |
12 |
8800h |
| 13 |
8C00h |
14 |
9000h |
- FRAME=アドレス
- ページ・フレームのセグメント・ベースを直接16進数で指定します。
指定可能な範囲は8000〜9000(h)とC000〜E000(h)の各範囲で400h刻み、つまりMxで指定可能な値と同じです。
- /Pmmmm
- mmmmの部分に、ページ・フレームのセグメント・ベースを直接16進数で指定します。指定可能な値は、FRAME=スイッチでのアドレスの指定部分と同じです。
- Pn=アドレス
- 特定のページのセグメント・アドレスを指定します。 n は指定するページ番号(0〜255)、アドレスは希望するセグメントアドレス(8000h〜9000h、C000h〜E000h、400hおき)です。
ページ0から3のアドレスは、EMSバージョン3.2との互換性を保つため、連続して確保しなければなりません。また、Mx、FRAME、/Pmmmmスイッチを使用する場合、ページ0から3のアドレスを指定することはできません。
- X=mmmm-nnnn
- 特定の範囲のセグメント・アドレスの使用を禁止します。
有効な値はA000h〜FFFFhの範囲で、最も近い4KB境界 に切捨てられます。後述の
Iスイッチの指定範囲と重複した場合、X スイッチの指定が有効となります。
- I=mmmm-nnnn
- 特定の範囲のセグメント・アドレスを、強制的にEMM386.EXEの管理下に置きます。有効な値はA000h〜FFFFhの範囲で、最も近い4KB境界に切捨てられ。Xスイッチの指定範囲と重複した場合、X
スイッチの指定が有効となります。
- B=アドレス
- EMSのバンクに利用可能な最低位のセグメント・アドレスを指定します。有効な値は1000h〜4000hの範囲で、省略値は4000hです。
- L=nn
- EMM386.EXEの組み込み後に利用可能な拡張メモリ残量をKB単位で指定します。省略値は0です。
- A=aaa
- マルチタスク環境で使用される高速代替レジスタセットをいくつ割り当てるかを0〜254の範囲で指定します。省略値は7です。
- H=hhh
- ハンドル数を2〜255の範囲で指定します。省略値は64です。
- D=ddd
- DMA(Direct Memory Access)のためのメモリ容量を16〜256(KB)の範囲で指定します。省略値は16です。
- RAM
- EMSメモリーとUMBメモリーへのアクセス機能を提供するよう指示します。
- NOEMS
- UMBメモリーへのアクセス機能を提供し、EMSの使用は禁止するよう指示します。DOS上ではEMSが必要ではないときには、このスイッチを指定することにより、広大なUMB容量が簡易に確保できます。
《解説》
- ファイル名拡張子は.EXEとなっていますが、システムへの組み込み時には必ずデバイスドライバとして使用します。
- CONFIG.SYS中で、必ずEMM386.EXEより前にHIMEM.SYSを導入する必要があります。
- EMM386.EXEが導入されているシステムでは、Microsoft Windowsのスタンダード・モードは起動することができません。386拡張モード、またはリアルモードでだけ起動できます。
- EMM386.EXEには多数のスイッチがありますが、一般的に指定が必要なのは"メモリー"(EMSに割り当てるメモリー容量)の項目だけです。
また、UMB機能を使用する場合にも、"RAM"または"NOEMS"スイッチのみ使用すれば、その他の各種の設定は自動的に行なわれます。
他のスイッチは、さらに細かい制御が必要なときにのみ使用します。
- 80286CPU搭載のシステムでは、EMM386.EXEは使用できません。一般に80286システムでは、そのハードウェア専用に設計されたEMSメモリボードと専用のドライバを(ハードウェアに付属していなければ)別途入手して使用する必要があります。
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