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UNDELETE - (削除ずみ)ファイルの復元

UNDELETEコマンドはFAT16用しかありませんので、Windows95以降では基本的に使用できません。

●Windowsユーザー向きに、「ごみ箱を空にする」などの操作で削除してしまったファイルの復活・復元方法の情報を別ページにまとめました。ご参照ください。

《機能の説明》

　DELコマンド等によって削除されたファイルを復元します。
　ただし、削除後、同じディスクドライブ上に何らかのファイル入出力操作があった場合、復元に成功する確率は低くなっていきます。万一、誤ってファイルを削除した場合、可能な限りすみやかに他の操作(とくにファイルの入出力操作)を中止し、早いタイミングでUNDELETEを実行することが重要です。

• DOSシェルのタスク切り替え機能、Windows 3.xから起動されたDOSコマンド・プロンプトなど、タスクスイッチ環境／マルチタスク環境下では、UNDELETEは使用できません。ただし、これらの環境内で削除したファイルを、これらの環境から抜けた通常のDOS環境上で復元できる可能性はあります。
• MIRRORによってディレクトリ・エントリーやFATのバックアップがとられ、削除の追跡が行われている場合、このデータを活用して、復元の確実性を高めることができます。
• ディレクトリは、原則的には復元できませんが、特定の条件下では可能な場合もあります。詳しくは《解説》を参照してください。

関連するBBS過去ログ……DEL,ERASE,REN…ファイル削除/復活/移動/名前の変更

《書式》

UNDELETE [ [ドライブ:][パス]ファイル名 ] [/LIST | /ALL] [/DOS | /DT ]

《スイッチ／パラメーター》

[ドライブ:][パス]ファイル名

　復元したいファイルを１つ、またはワイルドカードによって指定します。
　省略した場合、現行ディレクトリー上の、削除された記録が(そのディレクトリのデータ領域に)残っているすべてのファイルが復元対象となります。

/LIST

　実際のファイル復元は行わず、復元可能なファイルの一覧だけを表示します。
　このスイッチによって作成 (表示) されるリストは、/DOS、/DT スイッチによる制御の影響を受けます。

/ALL

　指定に合致するすべてのファイルを一括して復元します。
　/DOS、/DTとは同時に指定できません。

/DOS

　DOSによって削除されたことが内部的に記録されているファイルだけを、1つ1つ確認のプロンプトを表示しながら復元します。
　MIRRORコマンドによって作成された「削除情報ファイル」が存在する場合、そこに記録が残っているファイルは無視されます。

/DT

　/DOSスイッチとは逆に、MIRRORコマンドによって作成された「削除情報ファイル」に記録が残っているファイルだけを復元対象にします。

《解説》

• DOSのディレクトリ・エントリ情報に頼った修復の制約
  　MIRRORによって削除情報ファイル(ディレクトリ・エントリのバックアップ)が利用できない場合、UNDELETEはDOSのディレクトリ・エントリ情報に頼ってファイルを復元します。
  　ところがこの場合、削除ずみファイルのディレクトリ・エントリ情報では名前の1文字目(1バイト目)がすでに消去されており(かわりに「削除ずみ」を示すコードが書き込まれています)、このためUNDELETEは、ファイル名(の1バイト目)を自力で元どおりに修復することはできません。
  　このことは、たとえば/ALL スイッチを指定して一括して復元処理を行った場合のUNDELETEの動作に制約を与えます。
  　このケースでは、UNDELETEは復元するファイルの先頭1バイト目に、次の一連の候補文字を前から順にあてはめ、既存のファイルとの名前の重複を避けながら復元します。
  
  • #%&-0123456789ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ
  　つまり、多くの場合、復元されたファイル名の先頭1文字は、復元直後にはオリジナルとは異なる名前になっていますので、REN (RENAME)コマンドで、再度正しい名前に変更する作業が必要です。
  　とくに、ファイル名の先頭に全角文字が使われていたファイルでは、ファイル名に文字化けが発生する可能性が高くなりますので注意してください。
  
  　一方、MIRRORによる削除情報が有効な場合、UNDELETEはその情報に基づいて、正確に元通りの名前でファイルを復元することができます。
• /ALL、/DOS、/DTの各スイッチを指定する場合、いずれか１つだけを指定する必要があります。
  また、これらのスイッチをどれも省略した場合、削除情報ファイルがある場合はそれを利用し、ない場合は利用せずに、１つずつ確認プロンプトを表示しながらファイルを修復します。
• UNDELETEは「ディレクトリ」の復元には対応していません。ルートディレクトリ直下のサブディレクトリに限っては、UNFORMATコマンドで復元できる場合がありますので、そちらを利用してください。
  また、UNFORMATで復元されたディレクトリ内の削除ファイルは、UNDELETEで復活できる場合があります。

《関連コマンド》